捨て犬の十戒

捨て犬の十戒

1.僕を迎えてくれた時のことは決して忘れません。暖かい家族の中で幸せでした。
ご主人様との楽しい思いでは決して忘れません。

 

2.ご主人様が望んでいるようには振る舞えなかったかもしれません。
僕はあまり可愛いらしくなかったかもしれません。
でも、ご主人様に喜んでもらいたくて、精一杯頑張ったことだけは本当です。

 

3.ご主人様がいなくなっても、きっと迎えに来てくれると思って待っています。
側にいられなくなった訳は良くわからないけど・・・・。
僕を嫌いになったからじゃないと自分に言い聞かせています。

 

4.僕を産んでくれたお母さん、お父さんにありがとうって言いたい。
こうして楽しい思い出を宝物にできたのも、命を与えてくれたからです。
生きているから味わえたのです。ありがとう。

 

5.今は、たくさんの仲間たちと一緒に暮らしています。でもみんな悲しそうです。
僕もなぜか寂しい、物足りない気持ちでいっぱいです。

 

6.多くの仲間たちは、連れて行かれ二度と顔を見ることもない毎日です。
その時の悲しそうな眼を見たことがありますか。

 

7.一部の仲間たちは、たまに新しいご主人様が連れて帰ります。
ご主人様が迎えに来てくれないなら、僕も新しいご主人様に連れて行かれるかもしれない。
優しいご主人様だったら嬉しいけど・・・・・・・・・・。

 

8.僕にはご主人様を選ぶことはできません。
でも僕を迎えてくれるご主人様が、どこかにいるかもしれない。
もしそうなったら、今度はもっともっと気に入られるように頑張ります。

 

9.ご主人様、早く僕を迎えに来てください。
そして今度こそずっとそばに置いてください。それだけが僕の願いです。

 

10.ご主人様、これだけは覚えておいてください。
僕だって生きているということを。
心だってちゃんとあるということを。
天に召される最後の時まで、ご主人様に尽くしたいと思っていることを。

 





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