(2)感染症を防ぐ混合ワクチンとは

(2)感染症を防ぐ混合ワクチンとは

◎ワクチンとは

感染症や伝染病の病原性を失わせた病原体、またはその一部が入ったものをいいます。

ワクチンが動物の体内に入ると白血球が活動し病原体をやっつけるための免疫抗体が作られます。

ウイルスが体内に入ってきた時に、この抗体が病原体と戦い病気になる事を防いでくれます。

 
◎ワクチン接種はなぜ必要なのか?

抗体を作っておくと万一感染しても体を守り発症しないように、または発症しても軽症で済むようにしておくことが目的です。

 
◎子犬のワクチン接種

人間と違い犬の場合抗体は消滅していきます。よってワクチン接種をすることにより抗体を作らなければなりません。

子犬の場合、母犬からの授乳により譲り受けた免疫、移行抗体があり、ワクチンの作用を打ち消しますので、これが切れる頃を見計らってワクチンをすることが重要です。

この移行抗体は、40日~150日で消滅しますので1回目のワクチン接種を生後50日ぐらいで打たなければなりません。

確実な免疫を作るために何回かワクチンを接種する必要がありますので、かかりつけの獣医師と相談しましょう。

ワクチン接種の費用は動物病院によって異なりますので、一概にいくらとは言い切れません。

ワクチンはほとんどの場合混合ワクチンになっており、その種類も3種、5種、7種と種類もタイプもさまざまになりますので自分の愛犬にあったワクチンを相談し費用についても確認するようにしましょう。
また、副作用(発熱・食欲不振・嘔吐・下痢・じんましん等)もまれにありますので、ワクチン接種をした後、特に初めての場合は、よくワンちゃんを観察するようにしましょう。

 
◎混合ワクチンについて

病原体が体内ンに入ってくる感染経路は様々あります。
経口感染・・・感染動物による鼻水・便・尿中などにウイルスが存在し、直接的に舐めたり食べたりすることにより感染
空気感染・・・感染動物による咳やくしゃみが飛沫することによりウイルスを吸い込んでしまう感染
母子感染・・・子犬が母犬のお腹にいる時に、胎盤を通じて感染、生まれてくる時に産道で 感染

 
◎ワクチンの種類

 

◆犬ジステンパー・・・感染力が強く死亡率も非常に高い
【症状】
子犬に発生が最も多くみられる。潜伏期間は約4日。その後40℃以上の熱、元気・食欲の減退、痩せる、チアノーゼ、眼ヤニ、くしゃみといった初期症状から激しい咳、下痢や血便からの脱水症状などが現れ、てんかん様発作、麻痺等の神経症状を示し、衰弱死してしまいます。

 

◆レプトスピラ症・・・人畜共通感染症
【症状】
細長い螺旋状の細菌であるスピロヘータが、尿中に排泄されこの病犬の尿と接触することにより感染する。嘔吐、下痢、歯ぐきからの出血、血便、脱水症状などがある。

 

◆パルボウイルス感染症・・・ウイルスの抵抗力・感染力は極めて強く、死亡率が高い。
【症状】
突然の下痢、嘔吐、元気消失、食欲廃絶、急激に脱水。脱水が著しい場合、
特に子犬は1~2日で死亡することもある。

 

◆伝染性肝炎・・・新生児~1歳未満の発育中の若い犬に多い
【症状】
元気消失、鼻汁、流涙、高熱。その後、下痢、嘔吐、歯肉・口腔充血
眼球の白濁。

 
その他には、犬パラインフルエンザ・コロナウイルス・犬伝染性喉頭気管炎・などがある。

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